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YCさん

永田さんには、入院中、退院後共に大変大変助けて頂きました。産前産後のプロであり、日本での助産師の経験も豊富で、ドイツの最新医療も身につけている永田さんに出会えたことは、この上なく幸運なことでした。

永田さんは助産師、プロとして頼もしく、人格者で、前向きで、いつも輝いている素敵な方。最強の産前産後の伴走者です!

 

入院中は、母乳を飲む前と飲んだ後の体重測定、正しい飲ませ方の指導、抱き方指導、おっぱいトラブルの相談、新生児に口の開け方の働きかけ、EVKのラクテーションコンサルタントのコーディネートなど、とことん付き合ってくださいました。永田さんの勤務時間内で解決しなかった場合には、交代の看護師さんに丁寧に引き継ぎをしてくださっていて、夜中の授乳・搾乳にも看護師さんが寄り添って下さいました。それも全て、永田さんが丁寧にコーディネートしてくださっていたお陰でした。

 

訪問助産師が見つからなかった事を話すと、悩んだらEVKに来ても良いように交渉してくださり、レンタル搾乳機の相談や、黄疸の診察、体重測定などをしてもらいに何度か病院に通わせてもらうことが出来ました。また、退院後には、母乳育児のアドバイスや抱っこ紐の使い方指導の為に、自宅に立ち寄ってくださったこともありました。更に、昼夜構わず母乳トラブル相談にも乗ってくださいました。

 

永田さんに出会えたおかげで、ひとつひとつの不安を解消しながら育児ができました。ドイツの病院の指導に加えて、日本の病院ではどうしているかということも教えて下さいました。一つ一つの事柄について、日本流だと〇〇、ドイツ流だと〇〇、それらの理由を掘り下げて論理的に説明をしてくださいました。

例えば、沐浴について。日本では毎日石鹸を使っての沐浴が勧められているが、ドイツでは数日に一度で良いとされている。理由は、日本とドイツの気候や水質の違いにより、赤ちゃんの肌への影響が変わってくるため。

散歩について、日本では”床上げ”という言葉があるように、産後一ヶ月くらいは休養を取るのが一般的なのに対し、ドイツでは退院後すぐから散歩をする事が身体の回復にも良いと言われている。いずれも正しいが、世界中の赤ちゃんの出生体重に大きな違いがないのに対し、母体の体格はドイツ人とアジア人では全く異なる。同じ3,000gの赤ちゃんを出産したとしても、身体の大きなドイツ人と小さなアジア人とでは身体が受けるダメージが異なるため、産後の回復経過も変わる。

日本流を選択するか、ドイツ流を選択するかは、それぞれの理由を知った上で、自分に合ったものを選んで下さいとよく言ってくれました。判断材料をたっぷりくださって、自分の納得のいく育児を選ばせてくださいました。

 

産後の悩みを遠慮なく永田さんにぶつけてしまっていましたが、毎回毎回、非常に丁寧にお返事を頂きました。永田さんの指導がなかったら、育児が謎だらけで、苦痛で仕方なくなっていたかもしれないです。

 

【ドイツに来た背景】

2017年10月、初産、妊娠30週頃に夫の転勤でデュッセルドルフに越してきました。ドイツの出産方法を知らず、日本にいる間に、デュッセルドルフの産婦人科の先生に連絡をとり、診察の予約をお願いしました。後にドイツに入国し、初受診。出産はかかりつけのクリニックではなく、病院ですることなどのドイツ流の出産について、その産婦人科の先生に教えて頂きました。それ以来、いくつかの病院を見学していましたが、当時はEVKは候補にありませんでした。

 

【EVKでの出産を決めた理由】

家がUnterBilkに決まったことを産婦人科の先生に話すと、EVKはどうかと勧められました。

新生児救急があり、家から歩いて5分、永田さんという日本人助産師も働いているということを教えてもらい、早速検討してみることにしました。後に分娩室見学ができ、納得して選ぶことができました。予約も通訳さんに同席頂き、予約の契約書も安心して記入する事が出来ました。

 

【お産や産後の経過】

予定日を過ぎてもお産の兆候がなく、予定日から10日が過ぎ、入院となりました。

午前10時ごろに分娩室に入り、陣痛促進剤を使い、徐々にお産が進みました。15時頃胎児の心音確認中のベッドで破水。分娩室に移動しました。痛みが強くなってきたので、助産師さんから分娩室での入浴、水中出産しても良いと勧められましたが、痛くて何も考えられず断わりました。今思えばお願いしておけば良かったと後悔しています。

後に、無痛を勧められ、22時ごろ無痛分娩のための麻酔医師が到着しましたが、一度目の処置がうまくいかず、もう一度やり直しをすることになりました。しかし、途中で外科の救急患者が入ってしまい、一旦離席。約2時間後に戻り、翌朝の3時ごろに無痛の麻酔開始。4時間ほど眠り、朝7時子宮口が開いたのを確認し、助産師さんと30分程雑談。麻酔を止めて、ホメオパシーのレメディをもらい、約1時間後、8時頃から婦人科の医師と助産師さんのお二人の力を借りて出産。医師は、上からお腹を押してくれました。最後のいきみで出てこなければ、吸引か、切開かといわれましたが、その最後のいきみで無事に生まれてくれました。いきみ始めてから、約1時間半かかりました。

産まれてすぐの新生児の身体検査中に会陰縫合、これも非常に痛かったです。母子共に処置が終わると、子供を胸に乗せてもらい、母子同室入院が始まりました。

 

【入院生活で感じたこと】

初産だということは理由になりませんが、恥ずかしながら産後に何をどうしたら良いのか分からず、授乳の仕方も分からなかったので、最初の夜は、泣いてもぽんぽんと背中を叩いてあやすだけで、何もせずに過ごしてしまいました。回診で「何か問題ありますか?」と聞かれても、「問題ありません」とだけ応えてしまっていました。「分かっていない事」が分かっていない状態でした。

翌朝、永田さんが担当で回診に来て下さったところで初めて、授乳をしていない、泣いてもどうしたらいいか分からないと伝えると、授乳方法、オムツの変え方、抱き方など、全て一から指導して下さいました。

子供を取り上げてくれた助産師さんは、出産前に30分ほど雑談をしにきてくれて、信頼関係、安心感を構築してからリラックスして出産するように工夫してくれました。子宮口が10センチに開いた時には、「赤ちゃんの頭に触れるよ」と鏡で見せてくれたり、触らせてもらったり、産後に出た胎盤のチェックを私が見えるところで作業をしながら説明をしてくれたりしました。

後日再会した時には涙が出てしまった程、子供を取り上げてくれた助産師さんに感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

出産時、出産に備えてホメオパシーのレメディをもらえたり、産後の入院中には会陰縫合の傷に、凍らせたクヴァークをもらえたりと、西洋医学以外の処置をしてもらえた事が嬉しかったです。

 

産前産後を通して、EVKで処置を担当してくださった医師は全員女医さんでした。ドイツ全体?かどうか分かりませんが、産婦人科の先生は女医さんが多い気がしました。

 

入院中は、母乳の出を良くするために搾乳機のある授乳室へ昼夜通っていました。授乳室は柔らかい明かりの中、優しい音楽が流れていて、温かい雰囲気でリラックス出来る好きな空間でした。

 

【困ったこと、もっとこうしたらよかったと思ったこと】

訪問助産師はとても大事と思います。特に初産の方。私は2人目の子供にも恵まれましたが、経産婦で生後2ヶ月の今でも母体と乳児の両方を定期的に助産師さんに診てもらいながら育児をしています。

産前に訪問助産師の予約が必要と聞き、出産2ヶ月前頃から、100人以上の助産師さんに連絡して、必死で探しましたが、結局見つかりませんでした。妊娠が分かったらすぐに予約するのが良いと思います。特に、クリスマス期間や、バカンス期間は対応してくれる助産師さんの人数が少ないので、とにかく早目が良いと思います。

 

【これから産む方へのメッセージ】

マタニティの雑誌や、妊娠期に読む育児の本を読んでいたので、産後の育児の準備はできていると勘違いしていました。しかし、産後になって思い知ったことは、出産と育児の実態について、全く勉強ができていなかったこと。

授乳について、母乳が良いか、ミルクが良いか、混合が良いかも、自分の意思決定が遅くなると手遅れになることもあります。例えば、母乳育児を望まれている場合は、産後すぐの24時間、最初の1週間が大事だと言われています。

出産前に、どんな育児をしたいかイメージしておくと良いかもしれません。

 

長文読んでくださって有難うございます。

どうか良いお産となりますように!

YCさんとは、私が助産師免許書き換えのための実習を始めてすぐに産後病棟でお会いしました。

私もYCさんのケアを通してドイツの助産や育児についての知識を深めていくことができたと同時に、改めて日本とドイツの違いについて気づいたり学んだりする機会になり、それが今も活かされています。妊娠中のドイツへの引っ越しに来てすぐの出産とめまぐるしい環境の変化の中、我が子のためにできることを全力で取り組む姿にこちらも励まされていました。ぎっしりメモがつまった手帳や搾乳しながら台所を歩く姿は今でも忘れられません😍 

二人の育児中でお忙しい中、貴重な体験談とこれから産む方へのメッセージを書いてくださり、本当にありがとうございます♡ 永田より

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